対局ファイル #002(11.10.13)


▲Mさん
△Oさん
2011/10/13

ライバル同士?の一戦。Mさんが対戦相手にOさんを指名したようです。これは見逃せません(笑)。

(1図は▲86歩まで)


Mさんが得意の向かい飛車から早くも仕掛けました。Oさんも攻め将棋ですが、この進行では得意の棒銀を繰り出す暇がありません。

少し進んで2図。

(2図は▲85歩まで)


▲85歩と飛車先を止めたところ。好手と思いました。以下△同桂に▲同桂△同飛▲91角成。Mさんは香得を選びました。

△85同桂には▲86飛も自然な一手です。後手は△77桂成とはできません。(▲81飛成がある)。ただ▲86飛に△84歩とされると、意外と手がありませんか。

さらに進んで3図。

(3図は▲55桂まで)


激しい応酬が続きます。

△87歩成▲同飛!△同飛成▲同金△同角成▲63歩成△同銀▲同桂成
△同金(4図)。

当然とばかりの△87歩成に、Mさんは力強く▲同飛! 「いやー」と頭を抱えるOさん。(▲79金を読んでいたようです)

以下、騎虎の勢いで4図。途中、△87同角成は毒まんじゅうだったかもしれません。なぜなら−−。

(4図は△63同金まで)


4図から▲81飛なら先手大優勢でした。(局後の遠藤先生の指摘)。△76馬なら▲21銀が厳しい追及。△31玉には▲32香があります。

実戦は▲61飛。せっかくのチャンスを逃しました。以下△51桂▲81飛成△76馬▲57銀△78飛(図面省略)。攻守が入れ替わりました。

▲61飛はほとんどノータイムの着手。Mさん、ここが腰の落としどころでしたね。

ともあれ、熱のこもった好局でした。お二人ともお疲れさまでした。
 

サロン日誌(11.10.13)


さわやかな秋晴れ続きですね。
今日もサロンは満員で熱気ムンムン。エアコンが掛かっています。

【講義】

●格言「金底の歩岩より堅し」


(部分図。1図は△29飛まで)


△29飛の王手です。
今日の格言からすると、一目▲59歩ですが・・・ちょっと待った!

相手の持ち駒に香がありますね。
図から▲59歩△55香(2図)は、58の金の処置に困ってしまいます。

(失敗の図。2図は△55香まで)


1図の正着は▲49歩。「大駒は近づけて受けよ」です。
以下△同飛成▲59金△29竜▲49歩△55香▲58歩(3図)。
ぴったりと受かりました。

(成功の図。3図は▲58歩まで)


「皆さん、NHKの将棋番組はご覧になりますか」
こう問い掛けながら、佐伯先生がスラスラスラッと大盤に局面を再現されます。
(その記憶力には、一同いつも感心させられます)

▲郷田九段vs△金井五段、9/18に放送された将棋ですね。



上図から、先手に3手1組の好手が出ます。
▲81飛△99馬▲88歩



今日の格言の応用編ですね。
手順に後手の馬の働きを抑えてしまいました。

おまけとして、同対局から。



局面は進んで上図。後手は馬を79まで使ってきました。
以下▲69金△66桂▲同歩△67銀▲同玉△69馬(下図)。



「ここで先手に決め手があります。皆さんいかがですか」
・・・。しばし沈黙の後、ポツポツと声が上がりました。

はい、実戦も▲53香(下図)。



焦点の香ですね。
△同銀上は▲51竜。△同銀引は▲61銀以下。
△同金は▲41銀以下の詰みです。

仕方のない△53同玉に、▲51竜△同銀▲同飛成以下、
即詰みコースに入りました。

先生いわく、「郷田さんとは、私も5、6局指しました」
「筋の良さ、格調の高さは、棋界でも随一と言えるでしょう」

【自由対局】


 

宿題(11.10.13)


●必至(1手必至)


●詰将棋(7手詰)
 

Creator's Talking[ピリ辛流]Chapter:2

2011.10.05 Wednesday
 

Creator's Talking[ピリ辛流(管理人)]

Chapter:2 ご自身について。

(Chapter:1はこちら

−次は、ご自身について、色々と伺っていきたいと思います。ピリ辛流さんは、2007年からサロンに通われてるんですよね。

ピリ辛流(以下ピ):はい。もともと、藤沢にある将棋道場に通っていたんですが、そこで棋友の輪が広がって。その中のお一人に、「佐伯サロンも楽しいわよ。一度いらっしゃい。」と声を掛けて貰ったのがきっかけです。入会してみたら、ほとんどの方が既に顔見知りでした。佐伯先生自らが机や椅子を並べて教室の設営をなさっているのには驚かされました。“これはいかん!”と手伝うようになって…今に至ります。

−佐伯先生との関わりの中で、将棋にまつわる思い出や、何か印象的な出来事など、おありですか。

:ん〜。私の将棋は邪道なので、多分認められていません(笑)。私が先生の立場でもそうだと思いますが、指導者は、やっぱり自分が教えた事を、生徒が素直に実践してくれれば嬉しいじゃないですか。以前、私が四間飛車を相手に右玉の将棋を指していて、棒金をスルスルと四段目に出したことがあった。それをご覧になっていた先生の表情が、とても印象的でした。なんかもう、凄くイヤそうで(笑)。

−(笑)。ちなみに、その将棋の勝敗は?

:確か、入玉して勝ちました(笑)。あと、サロンで将棋を指していると、その日の佐伯先生の講義で習った手筋や格言を活かせそうな局面が、実際に出現することがありますよね。“ここぞ”と思って実践してみると、どういうわけか、そんな時に限ってそれが例外的に当てはまらず、悪手になったりすることがあります。例えば“玉は下段に”や、“中段玉は寄せにくし”などを念頭に置いて、玉を上に逃がして詰まされたり。下なら助かっていた(笑)。

−では、そんなご自身の将棋についても、お願いします。ピリ辛流さんのお勉強法は?

:勉強は、まるでしていません。盤駒を家で広げることは無いです。テレビ将棋を見たり、ウェブ中継で棋譜をチェックしたりはしますが。ただ…頭の中で、指した将棋を反省したり、こんな構想はどうかな、と思い描いたりすることはあるので、全く勉強していない、というわけではないのかも。

−お好きな戦法などは。

:基本的に定跡形は避けます。知識で負かされるのは切ないので(笑)。受け将棋なので、右玉や位取りが好きです。相手から色々とやって貰ったのを、打ち返すのが好き。カウンター狙いで。駒落ちの下手のときも、先に攻められたりします。私がなかなか攻めないから…。

−相手の力を利用する、合気道タイプなんですね。

:そうかもしれません。やったことないけど(笑)。それから、他の人に比べると、はるかに考えていないと思います。読みよりも流れ重視というか。あと、分岐で迷った時は、面白くなりそうな方を選んでいる気がする。勝率に祟ってきますけど。

−ピリ辛流さんにとって、理想の将棋とはどんなものですか。

:一局指し終えた後に、お互いの感性とか、人柄とかが分かり合えたように思える将棋。一局の将棋を通じて、何時間も話したりするよりも、ずっと深く、相手のことが理解できた気がすることが、本当にたまにあるんです。逆に、何十局指しても、まるで感じられない人もいますけどね。

−では、将棋に惹きつけられる、一番の理由は。

:将棋は“決断”のゲームだから。決断の連続。行くか戻るか、AかBか。一つの局面で、二つの手を同時に指すことは出来ない。一つを選択するということは、他の幾つもの可能性を、その場で切り捨てることです。“決める”ことは“捨てる”こと。思えばそれって、人生のルールと一緒なんです。進学も、就職も、結婚も、皆そうやって決めてきた。一局の将棋を指すことは、小さな人生を生きることに似ています。どうせ一度の人生なんだから、皆ももっと色々好きなことをやってみたら良いのに、なんて。

−サロンで将棋を指す、ということに対して、どのような思いがありますか?

:私にとっては、“気分転換”です。仕事などで行き詰まると、無性に将棋が指したくなる。日頃の憂さをしばし忘れて、好きなことに没頭する。どんな趣味も一緒ですね。もちろん、棋友とのコミュニケーション(ノミニケーション)も。

−では最後に、佐伯九段将棋サロンについて、何か語って下さい!

:何よりも、老若男女が和気藹々と将棋を指している、ということが最大の魅力です。全国的にも珍しいのではないでしょうか。普及の理想的な形と思います。これからも、サイトを通して、この魅力を伝えていきたい。また、メンバーの一人として、出来る限りサロンを盛り上げていきたいと考えています。

−分かりました。一つ一つ丁寧にお答え頂き、ありがとう御座いました。

おまけ。ピリ辛流に聞く! answer5

1.ご自身を駒に例えると?

A.玉。回りに助けられている。

2.ご自身の将棋を漢字一文字で表して下さい。

A.邪。よこしまなところ。

3.では、ご自身の将棋を色で表すと?

A.黄色。人をおちょくるようなところがある。

4.ご自身の将棋にテーマ曲を付けて下さい。

A.あみん『待つわ』。受け身なところ。

5.最後に、もしプロ棋士になれたら、どの棋士の先生と対局してみたいですか。

A.加藤一二三九段。伝説を間近で体感したい。
 

Creator's Talking[ピリ辛流]Chapter:1

2011.10.04 Tuesday
 

Creator's Talking[ピリ辛流(管理人)]

早いもので、いつの間にやら、早10月。2011年も、残り三ヶ月ですね。

今回の特集は、緊急特別企画“Creator's Talking”と銘打ちまして、ブログサイトの書き手兼管理人さんである“ピリ辛流”さんに、サイトのこと、サロンのこと、更にはご自身の正体にググッと迫るようなご質問まで、色々とインタビューをして参りました。

最近ちらほらと聞こえてくる、「どんな方がブログを書かれているのか」「何者なのか」などの疑問符や、「私達の写真とかはバンバン載るのに、ブログ班の人たちはあんまり前に出てこないじゃん!」という、サロン受講者の皆さんからのご意見(クレームかも。)等に誠意を持ってお応えすべく、ある種のスケープゴートとして(笑)、ご協力を頂いた次第です。それでは、宜しくお願い申し上げます。(取材・文:高野豆腐)

ピリ辛流(管理人)



name:原田浩光
age:48
birth:1962.11.22
constellation:蠍座
bloodtype:A

横浜市戸塚区在住。2007年よりサロンに参加中。アマ四段。将棋ペンクラブ会員。

受講者としてのみならず、時に先生方を支えて、インストラクター的な役割を果たされる事もある、サロンの隠れオーベン。また、夜間部永世部員としての側面も持つ。
その捉えどころの無い棋風から、付いた二つ名は“微笑のトリックスター”(今、勝手に命名)。

Chapter:1 ブログサイト、サロンについて。

−まずは、ブログサイトを始められた経緯について聞かせてください。

ピリ辛流(以下ピ):以前、サロンのホームページを運営されていた方からのご依頼で引き継ぎました。その方が多忙になって、なかなかサロンに来れず、更新が滞っていたことを気にされていたので。どうせ引き継ぐならと、形式はブログに変更させて貰いました。私自身もブログを書いていて慣れていましたし、カテゴリー別に記事を分けられるなど、ブログならではの利点もありますので。

−このサイトの趣旨というと。

:佐伯九段将棋サロンの紹介と宣伝です。和やかなサロンの雰囲気を少しでもお伝え出来るよう、色々と考えています。

−そのサイトも、開設から、いつの間にか一年半ですが。

:ともかく、ここまで続いて良かった(笑)。また、佐伯先生が喜んで下さってるのが何よりです。私一人では到底続けられなかった。協力者のお二人(高野豆腐さん、低速の寄せさん)には、感謝しています。今年の三月、佐伯先生が将棋大賞の“東京将棋記者会賞”を受賞されましたよね。丁度、年頭の企画で普及への思いなどを伺ったインタビュー記事を掲載していたタイミングだったので、もしかしたらこのサイトが100分の1でもそれ(受賞)に貢献出来たのかな…と密かに想像しました。もしそうだったら、この上ない喜びなんですが。

−記事を書くにあたっては、色々と注意しなくちゃいけないことも多いですが。何か気をつけている点はありますか。

:溜めずにすぐ書く。翌日には記事をアップする。根が不精ですから。あとはプライバシーの問題。書かれた人は勿論、読んで下さる人が不快にならないように、常に留意しています。書き手それぞれの個性が文章に表れるのも、読む人の楽しみの一つでしょう。私は出来るだけシンプルを心掛けています。

−これまで、佐伯先生の奥様から始まり、佐伯先生、遠藤先生へと続いた一連のインタビューや、受講者アンケートなど、様々な企画がありました。立案者として、如何ですか?

:如何って…??? 全てはサロンの紹介、宣伝の一環です。先生方や、先生を慕って集う方々のお人柄を伝えたいという思いがあります。何も別に私だけが企画するわけでもないので、何か思いついたことがあれば、色々と提案して欲しいのですが?

−なるほど(スルー)。では、今後のサイトの展望などを伺えますか。

:とにかく、継続させること。サロンも、サイトも。サロンの発展なくしては、サイトも、その企画もありませんから。そして、いずれは、次の人たちにバトンタッチをと。もっと書き手も増員したらいいかな。これまでの記事が蓄積されれば、データベースとして、サロンの足跡や、歴史となっていきます。ブログは割と簡単に書籍化することも出来るので、いつか先生方へプレゼントできたらいいですね。

−今、実は割と理想的な形ですか?

:そうですね。でも一つ悲しいのは、サロン内で読んでくれている人が少ないことでしょうか。ネット環境が整ってない方も多いので、まあ仕方ないことなんですが。出来れば、皆さんにもっと見て貰いたい…ってここで訴えても届かないか、見てないんだから(笑)。

−ジレンマですね…(笑)。

Chapter:2に続く。
 

カテゴリ

表示されている記事

ブログ内検索

月別アーカイブ

ブックマーク

管理人おすすめサイト

新着コメント【承認制】

  • 【再掲】【重要】サロン終了のお知らせ
    管理人
  • 【再掲】【重要】サロン終了のお知らせ
    麦茶
  • 宿題(20.02.13)
    管理人
  • サロンの思い出を語ろう(1)江川さん
    低速のよせ
  • サロンの思い出を語ろう(2)低速の寄せさん
    低速のよせ
  • 手合係は見た【92】
    ピリ辛流
  • 手合係は見た【92】
    管理人
  • 手合係は見た【92】
    低速のよせ
  • 手合係は見た【92】
    江川
  • 【重要】サロン終了のお知らせ
    管理人

電脳班プロフィール

その他

モバイル

qrcode

広告